今回は、東京會舘とわたし(上・下)のひと口読書感想文です。


とっても素敵なお話なのです!
キラキラ大切なものを、たくさん詰め込んだ宝箱のような物語です。
大正11年に創業した東京會舘の長い歴史のお話です。
大正・昭和・平成それぞれに時代背景があり、それぞれの時代に生きた人々の連作短編集です。
東京會舘が誰かの思い出の場所になる。
- 東京會舘で働く人の思い出
- 東京會舘に訪れた人の思い出
思い出とは、それを持つ人にとってかけがえのない大切なものです。
「建物」って思い出の宝箱でもあるのですね。
東京會舘で働く人の心のこもったおもてなしと、仕事に対する情熱と矜持と誇り。
真摯な気持ちで取り組んでいて、その姿勢が素晴らしい。
お話のひとつひとつが、胸にぐっときて・・・感動しました。
前の章で若かった人が次の章でベテランになっていたり、それぞれの主人公のその後がちょこっと出てきます。

桝野さんは努力したんだな~、こんなに立派になって・・・
田中さんは信念を貫き通したんだな~、副社長になるなんて、なるべくしてなった天晴れ人事だわ。
結婚式で不安そうにしていた静子さん、結婚生活が幸せそうでよかった~。静子さんからひ孫まで4代で東京會舘で結婚式するなんて素敵!
とか感慨深いのです。
お話とお話がつながるのも愉しみです。
下巻を読んだ後、上巻からもう一度読み返したくなります。

わたしは上巻が好き!